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【不動産業者向け】破産管財人が売主となる不動産売却で必要な知識|㈱HGCエステート

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【不動産業者向け】破産管財人が売主となる不動産売却で必要な知識|㈱HGCエステート

【不動産業者向け】破産管財人が売主となる不動産売却で必要な知識|㈱HGCエステート

2023/09/22

債務整理関連の不動産を扱うことが多い弊社では、破産管財人が売主となる不動産売却も多くあります。

破産管財人とは、債務者が破産したときに、その財産処分の公平性を保つために裁判所から原則選任されます。

enlightened「破産管財人の不動産を売却することになった」

enlightened「破産管財人から不動産売却を依頼された」

もし、破産管財事件の不動産を担当することになったら知っておくべきことをまとめました。

 

 

破産管財人の不動産売却の6つのポイント

enlightened売主=破産管財人、破産財団組入費用=破産管財人(弁護士)の報酬

enlightened破産財団組入費用の目安は、不動産成約価格の3%~7%

enlightened控除される費用は、破産管財人・債権者と事前に打合せておく

enlightened売却には裁判所の許可が必要

enlightened売買契約では契約不適合責任を免責にすることが無難

 

 

【まずはコレ!】破産管財人とは?破産財団組入費用とは?

破産管財人の不動産売却では、通常の不動産売却や任意売却とは異なることがあります。

ここでは『破産管財人』と『財団組入費用』を説明します。

 

破産管財人とは?

破産管財人=売主と考えると、もっともわかりやすいと思います。

登記事項証明書に登記されている所有者は変わりませんが、その所有者が破産手続きをしているため、裁判所から選任された弁護士が財産の管理・調査・評価・換価・処分を行います。

不動産売却での売主が果たす役割を破産管財人が請け負うことになるのです。

実際に売買契約書の売主欄や媒介契約書の所有者欄はこんな感じになります。

 

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売主: 住所 ▢▢▢▢▢▢▢▢丁目▢▢▢▢

             ▢▢▢▢法律事務所

氏名 破産者▢▢▢▢ 破産管財人

        弁護士 ▢▢ ▢▢

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破産財団組入費用とは?

破産財団組入費用=「破産管財人(弁護士)への報酬」ととらえておくといいです。

実際には、破産管財人が換価・処分する財産すべてを「破産財団」といい、その中なら一定を破産財団組入費用として控除します。

弁護士や債権者によって、「財団組入費」「管財費用」などと言い方が異なりますが、すべて同じことです。

 

【配分表に必須!】破産財団組入れ費用の目安

売却する不動産の成約価格の一定額を、財団組入費用とすることが認められています。

財団組入費用の目安は、成約価格の3%~7%の間で認められることが多いです。

不動産の成約価格や控除費用の内容などによっても変わります。

破産管財人と債権者との十分な打合せが重要です。

ちなみに、債権者が住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)の場合は、原則として破産財団組入費用は不動産成約価格の3%になっています。

 

 

【控除される項目例】破産管財人・債権者と事前調整

不動産の任意売却では、成約価格から一定の費用を差し引くことのできる『控除費用』というものがあります。

破産管財人の不動産売却でも控除費用は認められています。

・仲介手数料

・抵当権抹消費用

・破産財団組入費

・残置物処理費用

・差押解除費用

ただし、控除費用を認めるかの決定権は債権者と裁判所になりますので、すべてが認められるとは限りません。

 

 

【必要な条文例】売買契約書・重要事項説明書での注意点

破産管財人の不動産を売却するときの売買契約書・重要事項説明書では、記載が必要な条文があります。

特約条項などを利用して記載します。

記載している条文は、すべて実際に売買契約書に記載したことのある条文ですが、売買内容によって変更・アレンジしてください。

①担保権者の許可が必要であること

担保権者とは債権者のことです。

抵当権を設定している金融機関の承諾が無ければ、抵当権の解除・抹消はできません。

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条文例

本物件の売買契約は、任意売却によるものとなっており、万一最終代金決済までに本物件に新たな権利が設定され、または債権者から抵当権抹消の同意が得られない場合、売主・買主は契約を解除できるものとし、売主は買主に対して一切の損害賠償を負わないこととします。

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②差押などの担保権が発生したときのこと

売買契約を締結したあと、差押などの他の担保権が設定されるケースがあります。

把握できていなかった債権や調整がつかなかった債権が実行されたりします。

その場合に売買契約を解約できる条文が必要になります。

ただし、原則的には差押や他の債権の調整ができた上で売買契約を締結すべきです。

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条文例

本物件の最終代金決済時までに、万一本物件に差押等が設定された場合、売主・買主は契約を解除できるものとする。この場合売主は買主に対して受領済の手付金を返還し、契約条項の(手付解除)(契約不適合を除く契約違反による解除)は適用されないものとする。

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③裁判所許可の停止条件付

破産管財の不動産は、売却の一切について裁判所の許可が必要になります。

そのため、「裁判所の許可が必要」という停止条件付での売買契約を締結することになります。

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条文例

本契約は、裁判所の審判を受けた破産管財事件のため、売却には裁判所の許可を停止条件とします。停止条件が成就しない場合、売主は買主に対して受領済の金員を返還すれば本契約を解除できるものとし、売主は買主に対して一切の損害賠償を負わないこととします。

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④契約不適合責任の免責

破産管財の不動産を売却する際には、「契約不適合責任の免責」条項を買主と協議することも必要です。

換価・処分する不動産について、可能な限り調査することは当然ですが、所有者ではないため不具合などを確実に把握することは難しいことが多いからです。

破産管財人からも「契約不適合責任の免責」を成約条件とすることが求められるケースがほとんどです。

事前に買主とは協議・同意しておくことが必要になります。

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条文例

売主は、(引渡し前の滅失・損傷)の場合を除き、本物件の品質上の問題(土壌汚染・地中埋設物及び産業廃棄物を含むが、これに限らない。)が発見された場合でも、買主に対して一切の責任を負わないものとし、(契約不適合責任)を適用しない。

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⑤重要事項説明書の売主の表示

売買契約書とは別に提示される重要事項説明書の中にある「売主の表示」欄も、所有者と売主が異なるので記載に注意が必要です。

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売主の表示

住所 ▢▢▢▢▢▢▢▢丁目▢▢▢▢号 ▢▢▢▢法律事務所

氏名 破産者▢▢▢▢ 破産管財人 弁護士 ▢▢ ▢▢

その他 登記名義人と異なる 理由 売主は登記名義人に代わり裁判所より選任され、本物件の所有権移転等の権限を有します。

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破産管財人の不動産売却で登記に必要な書類

破産管財の不動産の所有権移転の際には、以下のような書類が必要になります。

 

enlightened裁判所の売却許可書(審判書)

enlightened破産管財人の印鑑証明書

enlightened抵当権の抹消書類

 

「3ヶ月以内に発行された破産管財人の選任書」を司法書士から求められるケースがあります。

この書類は、裁判所から売却許可とともに発行される破産管財人の印鑑証明書で代用が可能です。

一応、司法書士の立場で話しますと、破産管財人の印鑑証明書での代用は補完措置のため、原則からは外れます。

しかし、弁護士の立場から話しますと「破産管財人の選任書」は何度も発行を裁判所へ求められる書類でもありません。

両者の立場の落としどころということで考えてもいいのではないかと思っています。

 

 

破産管財人の不動産を売却するときの注意点

「破産管財人の不動産売却」と一言でいっても、一般住宅から大型のビルや工場まで様々な種類があります。

特に注意が必要なのは大型の工場などではないでしょうか。

 

・いくつもの金融機関からの借入があるため債権の順位が複雑

・土壌汚染や有害設備などの調査の問題

 

債権が「根抵当権」であることも多いため、残っている債務額の実態を把握することと、債権の設定順位を整理することが何より重要です。

債権者との調整は一度や二度で終えるとは思わないでください。

何度も配分表を作り直すことを覚悟しなくてはいけません。

また、調査については、資金的な限界もあるためすべての把握が難しいこともあります。

その点も、十分に買主に説明して、「契約不適合責任の免責」を成約条件にすることで、後日のトラブルを防ぐといいと思います。

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