相続登記が義務化されるまでに知っておく6つのこと|㈱HGCエステート
2023/09/25
令和6年4月1日から予定されている不動産相続登記の義務化。
相続登記がされてなければ罰則もあります。
これまでは相続登記は義務ではなかったので、親が亡くなり、親が所有していた実家や土地といった不動産の名義を変更せず、そのままになっている人も多いことでしょう。
令和6年の相続登記の義務化までに、何をやっておけばいいのか?
どのように備えておけばいいのか?
重要なポイントを簡単に押さえておきましょう!
これさえ知ればOK!相続登記義務化の【主なポイント】
・任意であった相続登記が義務化される。
・相続が発生した日、もしくは相続を知った日から3年以内に申請が必要。
・正当な理由なく相続登記を怠ると10万円以下の過料となる。
・相続登記の義務は、法改正前のものも対象になる。→現時点で未登記のものも対象
・義務化の実施は令和6年(2024年)4月1日から。
・同じく、氏名・住所の変更登記も義務化される。→変更から2年以内に登記が必要
知ったかぶりで話す相続登記が義務化される理由
全国にある所有者不明土地を合わせると九州の面積に匹敵するといわれています。
土地の所有者が不明になる原因は、ほぼ相続登記がされていないことに起因します。
相続登記がされない理由として、
①相続登記の申請が義務ではないため、相続登記をしなくても相続人に不利益がない
②相続人が土地を所有している意識が低く受け継がれない
③地方にある土地のニーズが少なく注目されない
④正式な遺産分割協議がされないため、知らず知らずに土地の相続人が増え続けている
といったことが考えられます。
そのため、いざ該当の土地を「利用したい」となっても難しい問題に直面します。
・所有者探しには膨大な時間と労力が必要になる
・所有者・相続人が判明しても、数が多いほど合意が難航する
これからも高齢者の死亡が増加することを考えると、この問題はますます深刻化することが予想されます。
そこで、「相続登記の義務化」によって、所有者・相続人を把握できるようにすることが今回の改正の目的です。
相続登記の義務はいつから発生?3年以内にすべきこと
相続登記が義務化されると、
・相続が発生した日から3年以内
・相続があったことを知った日から3年以内
までに相続登記の申請をすることが義務付けられます。
では、具体的にどんな手続きが必要なのでしょうか?
①まずは全員で「相続登記」が完了することを目指す!
法律で決められた相続権をもつ相続人や遺言書で指定された相続人などの相続人全員の登記を完了することが最良であり、原則です。
ただし、以下の場合は注意してください。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
遺産分割協議によって相続人のうちの一人に相続させる予定である場合
不動産の売買などで相続人全員が相続してしまうと手続きが複雑になることがあります。
具体的には、売買契約のときに相続人全員の記名・押印や委任状の記載が必要となると、それだけでかなりの時間がかかるといったことです。
そのために、相続人のひとりに相続をさせる「単独相続」という方法があります。
これは、不動産売買などの際の契約行為などを簡略化させるメリットがあります。
そのため、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の相続登記をせずに、単独での相続登記をします。
登記にかかる登録免許税が1回で済み、余分な費用を抑えることができます。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
②遺産分割協議書を3年以内にまとめて「相続登記」
相続人どうしの話がまとまらないときは、遺産分割協議を3年以内に済ませて相続登記をすることを目指します。
相続登記が申請されるまでの期間が3年あるのは、簡単に遺産相続の話し合いがまとまらないことを想定しているからです。
まずは、相続が発生してから3年以内に遺産分割協議を終わらせるようにしましょう。
円満に相続登記を終えるためです。
③まとまらない遺産分割協議書!とりあえず「相続申告登記」を
「俺はこの遺産では納得しない!」
「お母さんが認知症で・・・」
などなど、遺産分割協議が長引く理由はさまざまあります。
その場合は、ひとまず「自分が相続人である」ということを申告して氏名や住所を登記します。
これは相続登記の完了ではありません。
しかし、申告登記をすることで罰則を回避することはできます。
④「相続放棄」をすることで相続登記義務化の罰金を逃れることも
自分に相続権があるからといって必ず相続しなくてはいけないわけではありません。
相続放棄の手続きをすることで罰則の対象にもなりません。
相続登記手続きは、相続人になったことを知ってから原則3ヶ月以内に、家庭裁判所に申請する必要があります。
期間が割と短いことに注意が必要です。
過去に遡って効力のある相続登記義務化
新しい法律が施行されると、基本的には過去には遡らず、施行後のものが対象になるものがほとんどです。
しかし、「相続登記の義務化」については、今現在相続登記が完了していないものも対象とする、過去に遡るものになっています。
もっとも、そうでなければ相続登記を義務化する目的に意味が無くなりますので当然です。
「相続登記の義務化」が施行されるのが令和6年(2024年)4月1日ですから、それから3年後、令和9年(2027年)4月1日までに相続登記をする必要があります。
注目!氏名・住所変更の登記も義務化されます!
今回の改正不動産登記法においては、他にも気になる改正がありました。
・住所氏名変更の義務化
所有者の氏名や住所に変更があった場合には、その日から2年以内に変更登記が必要。
期限以内にしなかった場合は5万円以下の過料となる。
・相続土地の国庫帰属制度
相続した土地を放棄して国へ返すことができるようになる。
不動産業者の予想!相続登記義務化で「地上げ」が活発になる!
相続登記が義務化されることで、もっとも効果があるものは不動産業者の「地上げ」かと思います。
「地上げ」というバブル時代の悪いイメージがあって、立ち退かない人に嫌がらせをするとか、お金で無理矢理立ち退かせるとか。
実際には、地上げの依頼は不動産業者には日常的にあります。
「隣の土地がずっと空地なので、駐車場として購入したい!」
「町内にある空地を購入して、息子たちに家を建てたい!」
そこで所有者を調べますが、現在の所有者を特定するのは困難で、ほとんど所有者と連絡を取ることはできません。
ところが、相続登記が義務化されると、問題はクリアされて、活発な取引が期待されます。
一方で、原野商法がやりやすくなる点も問題点として指摘されています。
不動産業者の良心と、行政の規制を検討すべきことも必要ですね
----------------------------------------------------------------------
株式会社HGCエステート
〒060-0003
住所:北海道 札幌市中央区 北三条西 3-1
電話番号 :011-200-7712
札幌市の土地売却をサポート
札幌市の戸建ての売却も支援
札幌市でマンション売却に尽力
----------------------------------------------------------------------